ロッキン繭玉もしくはデュースボールについて

 

事の始まりは、こないだ古いfホールのピックギターを買った時のこと、宅配便で送ってきたギターを立てたりひっくり返したりしてチェックしていたら、fホールから直径1.5cm位の木くずのまじったわたぼこりがポロッと出てきました。

くそっ、汚いギターだなと思っていたんですが、先日愛用のL-48(ギブソンのfホールギター)を弾いてたら、何と同じものが中に入ってるじゃないですか!

このわたぼこり、いかにも手で丸めたかのように、いい具合にまん丸く固まっているんです。ちゃちな悪魔のいたずらのようにも思えるこの不思議な物体を、僕はデュースボールと名付けることにしました。

箱ギターの中には、けっこう木くずとか塗装面のとぎ汁が乾いたのとかがくっついているんで、それが核になって、fホールから入りこんだほこりがかたまりになったものと思われます。

考えてみると内部にさえぎるものが魂柱棒くらいしかないから、一旦かたまりになったわたぼこりは比較的自由に転がることができ、ここまで大きくなったんではないでしょうか。

中にブロックがあるセミアコとか、配線とかポット等があるとうまくいかないかも知れないし、ブレイシングがあってもだめでしょう。第一、丸ホールでは換気がよすぎて期待できません。

そう考えるとfホールでアーチトトップ、しかもノーカッタウェイのギターこそデュースボールの発育にベストな環境と言えるでしょう。

なお、このボールの形成にあたっては、僕が弾くロカビリー曲による振動とか、地味ではあるけど多少のステージアクション、ギターの持ち運び、さらには部屋ソージの頻度、ライヴハウスのヤニ臭い空気等も強く影響していると考えられ、そうなると、このボールはほとんど僕のロカビリー歴の生き(?)証人と言ってもよく、何かビッグチーフのもう一人のメンバーというような気もしてきました。まあ、そこまで感情移入しなくても、fホールギター内の自浄作用のなせるワザ、と素直に評価し、僕はマイデュースボールを大事に育てていく決心をしました。

ところで、勝手にデュースボールなどと名付けてしまいましたが、もしかしたらこの繭玉、箱ギター持ちとか、中古ギター業界では意外と常識で、ちゃんと名前も付いてたりして。

さあ、みなさんも自分のギターのfホールを覗いてみて下さい。そこにはあなたの知らない小宇宙が広がっています。そして何かすばらしいものを見つけたら、、、

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