このホットロッド用語集は、たまたま買ったROD & CUSTOM誌の2001年1月号に載っていたものです。読んでいて非常に面白かったので、皆さんにも紹介したいと思って訳しました。

日本のホットロッド/カスタム文化はまだ始まったばっかりという感じで、楽しみな反面、基本的な知識が共有できていないようでもあります。そして、ロッド/カスタムを中心にして世界中の同じ趣味を持った人たちとコミュニケイトできるという点では、ロカビリーと全く同じように楽しむことができる、素晴らしい遊びだと考えています。だから、まずは基本の言葉を皆さんにも知ってもらいたいと思ったのです。

せっかく覚えるのなら、現地のカーショウとかに行っても、即、使えるようにと考え、なるべく本来の発音に近い表記を心がけました。ただ、日本語としてすでに定着している呼び方はそれにならったものもあります(たとえばホットロッド、本来ならハッロッズと書きたいけど、これじゃ何のことかわからない人の方が多いと思うので)。

僕は翻訳家でも何でもないので、間違いもあると思うし、意味が分からないままに訳している部分もあります。ここはおかしいぞという意見があったら教えて下さい。

それと、これからの文章は、一ホットロッド愛好者が、日本のホットロッド文化の健全な発展を願って行った、名文の紹介であって、ROD & CUSTOMには100%の敬意を払いますし、この文章に興味を持って、ROD & CUSTOM誌を読んでみたいと思う人が増えることを願っています。

それでは、激しいふんどし型のページですが、頑張って読んでね。

 

EVERYTHING YOU NEED TO KNOW TO BECOME A HOT RODDER
ホットロッダーになるために知っておきたいこと全集

 

HOT ROD STYLING LINGO

fat fender ファット フェンダー
1935年位から、クルマにはより丸くて大きなフェンダーが付くようになり、フェンダーを外すと、それ以前のモデルのようにはかっこよく見えなくなった。そのためこれらの車種のほとんどでフェンダーを残さざるを得ず、ファットフェンダーと呼ばれるようになった。'46-'48のフォードが良い例である。ファットフェンダーは以下にあげるような様々なスタイルに作りあげることができる。

fueler フューウラー
フューウラーを作るつもりならちょっと気合いをいれないとだめ。フューウラーというのは昔のdragster ドラッグスタでほんとにニトロを燃やすやつのことだから。古い、フロントエンジンのドラッグスタはrails レイルズ、rail jobs レイルジョブズ、diggers ディガーズ、またもっと昔にはthingies ティンギーズとも呼ばれていた。

gasser ギャッサー
'60年代にドラッグ レーシングで人気のあったgas classes ガスクラスにちなんで、ギャッサーはノーズが高く、スリックがリヤフェンダーから飛び出しているというように、真にドラッグ レース的でなければならない。'40-'41のウィリスが代表的なギャッサーであり、多くの人々が最近のプロストリートウィリスに対してギャッサーという呼び名を使っているが間違いである。

gow job ガウ ジョブ
多分すごく古いホットロッド用語で、'30年代にレースに出ていたような、ストリップされたモデルTに対してよく使われる。gow ガウというのは加速のこと。我々は今日のノスタルジアロッドに対してこの言葉を使っているが、ほんとは正しくない。だけど他にいい言葉がみつからない。

highboy ハイボーイ
'20年代か'30年代のロッドで、フェンダーが無く、ボディーがストックの位置であるフレーム上に乗っているもの。

high tech ハイ テック
billet ビレット、進んだエレクトロニクスといった、あらゆる最新の技術を用いて作られたクルマ。billet rod ビレット ロッドとかsmoothie スムーズィーと呼んでもいい。ちなみに、ビレットというのは、アルミニウムのかたまりを加工してパーツを作ることに由来している。ビレットルックは'80年代に評判になり、今でも続いている。

hot rod ホット ロッド
同名の雑誌はもともと、この言葉を「持ち主によって外観上または性能のために改造されたクルマ」と定義している。現在では、この用語はもう少し狭い意味で用いられており、real hot rod リアルホットロッドと言えばだいたい'20年代か'30年代のクルマで、'40年代から'50年代初期のレイク、ドラッグ、そしてストリートカーと全く同じように作られたものを指す。

jalopy ジャロピー
サークル トラック(円周状のコース) レースに用いられた戦前のクルマ。

lakes modified レイクス モディファイド
レイク(塩湖)でのレース用に改造されたロードスター。通常はbucket バケット。

lowboy ローボーイ
フェンダーが無く、ボディがフレームレールに被さるように低くチャネルされたホットロッド。しばしばロードスターに用いられるがそうでない場合もある。

newstalgia ニュースタルジア
'40年代、'50年代、'60年代のルックスをまねるが、高年式の部品を利用するという、クルマのスタイリングのコンセプト。

nostalgia ノスタルジア
過去の時代の様式を、ヴィンティッジパーツを用いて忠実に再現するというスタイリングのコンセプト。元々ハイテックのクルマにホワイトウォールタイヤを履かせただけで"ノスタルジア"と呼ぶ人たちにはイライラさせられる。

pro street プロ ストリート
巨大なタイヤが入るようにクルマのリヤエンドがタブ(=モディファイ)されている場合、普通、プロストリートと呼ばれる。ノスタルジアカーやニュースタルジアカー、もしくは真のカスタムはプロストリートにはなり得ない。

rat rod ラット ロッド
この用語は本物のノスタルジアホットロッドでプライマーカラーのものに対してしばしば用いられるが、私たちはこの言葉は使わないように努めている。

resto rod レスト ロッド
ストック(ノーマル)の外観、またはオリジナルトリム(元々付いているモール類)のほとんどを残し、レストアされたボディのストリートロッド。

rusto rod ラスト ロッド
誰かがfield car フィールドカー(野ざらしのボログルマ)を引き上げてボディを修理せずにホットロッドを作ること、それがラストロッドである。

smoothie スムーズィー
ボディがスムーズ化され、シェイヴされたロッド。通常はハイッテックカーである。

streed rod ストリート ロッド
あらゆる'49年以前の改造車でカスタムではないものとして一般に受け入れられている。しかし、ストリートロッドには、真のホットロッドよりも安全で、新しく、おとなしいという雰囲気がある。

T-bucket ティー バケット
屋根なしのフォード モデル T ロードスター(しばしば'23年式)で、ボディタブだけの状態までストリップダウンされ、でかいエンジンとビッグンリトル ラバー(前が小さく後ろが大きなタイヤ)が付いたもの。

tub タブ
フェイトン、すなわちツーリングカーを意味する俗語。

track T トラック ティー
'40年代や'50年代にやっていたように、円形のトラックでのレース用にモデル Tで作られたオープンでフェンダー無しのロードスター、もしくはそれらの古いレースカーに似せて作られたもの。

 

BODY STYLES OF OPEN CARS

これはちょっとやりにくい、というのは専門用語というのはクルマの年式やメーカー自身が使った言葉に激しく依存しているからである。あなたはopen-top オープントップのクルマにconvertible コンヴァーティブルという言葉を使いたくなるかも知れない。しかし、この用語は、折り畳み式の幌と固定したウィンドシールド(前窓)と巻き上げ式のドア ウィンドウを持つオープンカーに対して、'30年代後半にやっと使われ始めた。コンヴァーティブルは通常2ドアで、終戦頃には、コーヴェットのような例外を除き、ほとんど全ての屋根無しのクルマはコンヴァーティブルだった。
戦前には2ドア、2人乗りでウィンドウ無しのクルマで屋根が無いもの(もしくは取り外せる幌またはハードトップ)そして折り畳めるウィンドシールドを持ったものはroadster ロードスターと呼ばれた。roadster pickup ロードスター ピックアップというのもあった。似たようなボディスタイルにcabriolet カブリオレがあり、こちらは巻き上げ式のウィンドウと通常サイドの鉄骨がある折り畳み式の屋根を備えたものだった。カブリオレのウィンドシールドは通常折り畳むことはできない。phaeton フェイトンはキャンヴァストップのセダンボディのクルマで後ろまで全部オープンでトランクが無いもの。大体'27年から'37年までに見られ、2ドアと4ドアのどちらともあり、サイドウィンドウは無く、ウィンドシールドは折り畳めるものが多かった。

 

BODY STYLES OF CLOSED CARS

'20年代、'30年代にはcoupe クープは前席だけしか無い屋根付きのクルマのことであった。戦後のクープは後席があってもよく、後席が無いものはしばしばbusiness coupe ビズネス クープと呼ばれた。フォードの'32から'34のクープは、ウィンドウの数(ウィンドシールドは数えない)によってthree-window 3ウィンドウとfive-window 5ウィンドウに区別される。
sedan セダンとは、屋根付きの2ドアまたは4ドアクルマでフロントシートもリヤシートもあるもののことを言う。戦後のクルマについては、フロントとリヤのサイド ウィンドウ間のBピラーがあるもののことを指し、一方hardtop ハードトップとはピラーレスのことである。ほとんどの人は'55 シェヴィーのpost ポスト(=ピラー)ありと無しの例を知っていると思うが、これは最近の人たちの言葉である。'50年代のピラーレスのクルマには、hardtop convertible ハードトップ コンヴァーティブルという奇妙な呼び名で呼ばれるものもあった。
古いフォードのセダンに戻ると、Tudor テューダーは2ドアであり、わかると思うけど、Forder フォーダーは4ドアである。Vicky ヴィッキー、これはVictoria ヴィクトリアの略称だが、モデル A、'32か'33〜'34のテューダーセダンでほんの少し屋根が短く、小さめのbustleback バスルバック(丸くふくらんだ車体後部のこと)を持つもののことである。
'50年代を通して存在したさらに別のボディースタイルとしてsedan delivery セダン デリヴァリーがある。これは2ドアセダンでリヤドアが一つ付いているものである。一方、station wagon ステイション ワゴンは通常テイルゲートが一つでドアグラスの後ろにサイドウィンドウが無いもののことである。これらはよくpanel delivery パネル デリヴァリーと混同されているが、こちらはトラックベースであり、リヤ ドアが2枚であることが多い。

 

BODYWORK LINGO

A,B, and C pillars A、B、及びC ピラー
これは簡単で、単純に後ろに向かって数え、文字を当てはめればよい。A ピラーはカウルとルーフとの間でウィンドシールドとドアグラスとの間にある。セダンはドアの後ろのところにB ピラーがあり、C ピラーはリヤグラスのところにある。

belly pan ベリー パン
クルマの下部を覆うのに使われる鉄板のパネルで、スピード競技のためにより優れた空力特性を生み出す。

bobbed fender ボブド フェンダー
モデル Aや'30年代のクルマでよく行われるもので、リヤフェンダーを短くすることで、低くたれさがらないようにすることを言う。フロントフェンダーもボブすることができる。

bucket バケット
ボディの部分としては、モデル Tのボディのファイヤーウォールからフロントシートのすぐ後ろまでのことである。またT-バケットの略としても用いられ、この場合はホットロッドモデルTを作る場合のある特有のスタイルのことを示す。

bullet ブレット
丸みを帯びた、円錐形の、典型的にはクロームプレート(=メッキ)された外装部品で、カスタムカーのグリルやバンパーに見られるもの。リヤバンパーのブレットはより正確にはdagmar ダグマーと呼ばれる。

bullnose ブルノーズ
フードの真ん中に走る、なめらかな細いクロームの線。

channeled チャネルド
これは、ボディをフレームレールに被せて低くすることを表現したもの。フェンダーレスのモデル Aや'32 フォードでもっとも多く行われていて、これによりローボーイを作ることができる。

chopped チョップト
トップ(=屋根)をチョップするというのは、ピラーとウィンドウの一部分を切り取って屋根を低くすること。whacked ワックト、sliced スライスト、hammered ハマードとも呼ばれる。

filled フィルド
この言葉は、'20年代や'30年代のクルマの屋根にあるビニール(向こうではvinylはヴァイナルと読む)と木の挿入物を取り去って、できた穴を鉄板で覆うことを指すか、またはボディの継ぎ目を溶接したりはんだ付けすることで、ボディがなめらかな一体型に見えるようにすることを指す。実質的には、フィリングによって、カスタム カーにある穴は全部なくすことができる。

frenching フレンチング
すっきりしたカスタム ルックを作り上げるために、ヘッドライトや他の外装部品がボディパネルの中に埋め込まれるようにmold モウルド(=成形)する工程。ライトがボディの中に深くにセットされる tunneling タネリング(=トンネリング)とよく混同されている。

'glass グラス
アフターマーケットの複製ボディの素材としてよく用いられるファイバーグラスに対する略語。グラスのクルマを、ほんのちょっと悪口になるが、plastic プラスティックと呼ぶこともできる。それでもTupperware タッパーウェアというほど悪くはない。'glass it in グラスィティンというのは何かをファイバーグラスでくっつけることを表す動詞である。

grill shell グリル シェル
レイディエイター(=ラジエーター)を取り囲み、グリル インサートを覆う鉄板の構造物。大体、モデル A(インサートを持たない)や'32〜'34 のクルマに対して用いられる言葉。

hardtopped ハードトップト
ハードトップされたクルマというのは、元々セダンだったものを、B ピラーを取り去ることによってファクトリー(=メーカー製の) ハードトップのように改造したもの。

lead レッド
鉛と錫の化合物である、ボディ用のはんだ。小さなくぼみを埋めたりパネルを作り直すときに用いられる。動詞としてつかうこともでき、'50年代のカスタム用語であるleadsled レッドスレッドの語源でもある。レッドは、ボンドなどの樹脂製ボディ用充填剤(しばしばmud マッド=泥と呼ばれる)が用いられる以前から使われている物質である。

louver ルーヴァー
換気や見かけを良くするためにフード(=ボンネット)や他の部位の鉄板に開けられた小さな通気口。ロッド & カスタム誌のありがたいお言葉に"Make louvers, not war" (make love, not warのもじりと思われる)というのがある。

nosed and decked ノーズド アンド デックト
実際にはいつも一緒に行われるので、まとめてこう呼ばれる。カスタム車でフードとトランクからバッジやトリム(=モールなど)類を全部シェイヴ(=取り去る)すること。

pancake パンケイク(=パンケーキ)
チョッピングやセクショニングと似ているが、一般にはフードに対して行われ、高さを切りつめることによって、フードをより平べったく、パンケーキ状にすること。

peaked ピークト
フードやグリル シェルやデックリッド(トランク カヴァー)に付け加えられた、隆起したエッジに対して用いられる。

radius レイディアス(=ラジウス)
フードの角のような、元々は角ばっていた角を丸くすること。またはどんな場所でも、真っ直ぐな角ばったエッジを丸くすること。

roll ロール
パネルに、もともと無かったレイディアスを加える場合、例えばクルマからバンパーを取り去る場合、ボディの角張ったエッジがあったところに(ロッカー パネルと同じように)丸く回り込むようになるように、しばしばロール パンが付け加えられる。

sectioned セクションド
カスタムのボディ改造においてチョッピングと同様にしてボディの中央部分の鉄板を水平方向に切り取ることによって車高を落とすことを言う。

shaved シェイヴド
エンブレムやハンドル(取っ手の意味)やトリムなどの部品を取り除き、残った穴を埋めてなめらかな外観を作り上げる方法のことを言う。

skirts スカーツ
脱着可能なフェンダーの延長で、後部タイヤの開口部を覆うもの。

stretched quarters ストレッチト クウォーターズ
後部のクウォーター パネルを後方に向けて延長すること。通常コンチネンタル キット(リヤ バンパーにマウントされたスペア タイヤ)を取り付ける場合に、より釣り合いがとれるように行われる。スペアがマウントできるように、バンパーはトランクから離れた位置に置かれることになる。場合によっては単にクルマの全長を伸ばすためだけに行われることもある。

suicide doors スーサイド ドアズ
クルマの後方にヒンジがあり、前方が開くドア。この形式のドアでは、運転中に開いてしまうという問題が考えられるため、このように呼ばれている。

 

ENGINES WITH NICKNAMES

Fords:'32から'53の古いフラットヘッドのV-8、すなわちflatties フラッティーズを探してみて。フラットなシリンダーヘッドとヴァルヴがブロックにあるから簡単にわかる。フラットヘッドの4気筒は通常four-bangers フォー バンガーズ、bangers バンガーズ、また時々four-barrels フォー バレルズと呼ばれる。またフォードエンジンは年式によってA-motors A モーターズ、B-motors B モーターズ、C-motors C モーターズとなる。最も新しい4.6リッター V-8はmodular motors モデュラー モーターズである。

GMC:古いレイクスまたはドラッグのロッドに用いられたGMC トラックの6気筒エンジンはJimmy sixという。これらのエンジンにはWayne ウェインやHoward 12-port ハワード 12ポートのヘッドがよく使われている。

Chevy:簡単である。スモール ブロックはMouse マウス(ハツカネズミ)、ビッグブロックはRat ラット(ドブネズミ)、348や408はPorcupine ポーキュパイン(ヤマアラシ)である。'62年から'65年のクルマの4気筒はよくロッドに用いられ、簡単にChevy II motors シェヴィー II モーターズと呼ばれる。新型の燃料噴射式305や350の多くはTPI motors TPI モーターズであるが、最新のものはLT1s LT1、続いてLS1s LS1である。

Buick:'53から'67まで生産されたNailhead ネイルヘッド V-8しか無い。排気ヴァルヴがネイル=釘に似ているからそう呼ばれる。(これちょっと疑問。ヘッドカヴァーがネイル=爪に似てるからと思ってた。だって排気ヴァルヴって全部釘の形してる。)

 

CARS WITH NICKNAMES

A-Bone A ボーン
'28から'31に作られたA型フォード。bones ボーンズと勘違いしないこと。これはどんなクルマでもいいけど、フレームレイルのこと。たとえば、Deuce bone デュースのボーンにA-bone A ボーンを載せるという言い方ができる。

Chevys シェヴィーズ
Bow Ties ボウ タイズ(=蝶ネクタイ)と呼ぶことができる。なかにはStovebolts ストーヴボルツと呼ぶ者もいるが、これはその名前の由来となった直6エンジンが付いたクルマに限って用いられるべきだと思う。

Deuce デュース
1932年に作られた全てのクルマに用いていいと言う人もいるが、'32 フォードに用いるのがベストだろう。中には'62から'68のシェヴィー II ノウヴァ(ノヴァ)をこう呼ぶ人もいる。

shoebox シューボックス(=靴箱)
この言葉はほとんど全ての'50年代車、特に'55から'57のシェヴィーに用いられるまでに堕落してしまっている。しかし'49から'51のフォードに用いるのが最も適切である。

Tri-five トライ ファイヴ
これは'55から'57のシェヴィーに対するキャッチフレーズである。またtri-year Chevys トライ イヤー シェヴィーズとも呼ばれる。

 

IT AIN'T JUST PAINT

candy (or Kandy) キャンディ
色は付いているが透明な塗料の種類であり、光が通過するため、その下にある色とかメタルフレイクが透見でき、キャンディのような感じに見える。

pearl (or pearlescent) パール (パーレスント)
塗料やクリヤーに混ぜることである程度虹色のような、すなわち真珠のような見かけが得られる粉。これによってある種の光の下でのみ現れる色が付け加えられたようになる。

metallic メタリック
マイカの微粒子や金属片を塗料に混ぜることによって、ある種のきらめきを与えられた塗装。

metalflake (or 'flake) メタルフレイク (フレイク)
金属製のキラキラした小片で、クリヤーに溶かしてクルマにスプレイすると、日光の下できらめくように見えるもの。メタリックよりはるかに過激。

suede スウェイド
プライマーに対する洒落た呼び方。とは言っても実際はプライマーではなく、艶消し剤を添加した塗装のこと。

 

ENGINE PARTS

97s ナインティーセヴンズ
Stromberg 97 ストロンバーグ 97 カービュレイターに対するニックネーム。古いカーキチのお気に入り。

beehive ビーハイヴ
アフターマーケットの、エンジンと別体のオイルフィルターで、蜂の巣に似ている。フラットヘッド フォード V-8によく用いられる。

Boring ボーリング
今日では、簡単なエンジン再生技術の一つで、エンジンのシリンダー表面をきちんと面出しすることであるが、結果的にシリンダー経が大きくなり、排気量が増すためパワー面での恩恵も得られる。シリンダーをボーリングすることはpoking it ポウキング イット、またはpunching it out パンチンギタウトとも呼ばれる。

carbs カーブズ
カービュレイターズの略で、jugs ジャグズとかpots ポッツとも呼ばれる。

cutouts カタウツ (より日本語的にはカットアウツ)
ボルトオン、または機械的に操作できる排気装置中の抜け穴で、ヘダーパイプスを通った直後の排気ガスを、マフラーを通すのではなくて直接排出する。今日ではデザイン上の役目しかないが、もともとはストリートカーに付けて、近所の人たちを困らせるか、おそらくはレーストラック並みの性能を付加するためのものであった。

mag マグ
magneto マグニートウ (マグネトー)の略。点火装置に供給するための電力を発生させるダイナモを内蔵したディストリビューターのこと。マグは、マグネシウムの略としても用いられる。例えばmag wheels マグ ウィールズといった様に。エンジン部品をmag check マグ チェックすると言えば、機械屋で小さなクラックを点検することを意味する。

nitro ナイトロ
強力なレース用燃料であるニトロメタンの略語で、pop ポップともよばれる。燃料のうちの大半をナイトロを用いる場合、run on a load ラン オン ア ロウドと言う。ナイトロは単純にfuel フューウルでも良い。

nitrous oxide ナイトラス オキサイド
N2Oとも表記される。これは酸素を含むガスで、高性能エンジンに注入することにより、即座に100馬力か、それ以上アップさせるもの。juice ジュース、squeeze スクウィーズ、the bottle ザ ボトル、spray スプレイ、the unit ザ ユニット、the baby bottle ザ ベイビー ボトル、the big blue bottle ザ ビッグ ブルー ボトル、the system ザ システムなどとも呼ばれる。

ported ポーティッド
空気と燃料のフロウが最大になるように作り直された吸気及び排気ポート、これにより馬力を上げることができる。

relieved リリーヴド
フラットヘッドエンジンにおいて、ブロックをリリーヴするとは、ヴァルヴとボアとの間に溝を彫ることによって、エアフロウを増大させることを言う。こんな風に使える。「こいつはポートしてリリーヴしてある、ストロークとボアもやってある、トップでベタ踏みすれば140マイルは行ける。」

stacks スタックス
'50年代から'60年代のストリートロッドに付いていたカービュレーターに対してよく用いられた言い方で、velocity stacks (速力のこと?) を指す。

straight pipes ストレイト パイプス
マフラーが無く、パイプだけの排気装置。

stroked ストロークト
クランクシャフトにあるロッドのジャーナルの行程を増加させることによって、ボアのなかでピストンがより遠くまで移動するようにして、排気量とトルクを増加させること。

supercharger スーパーチャージャー
ロッディングにおいては、ルーツ (ブランド名と思われる) タイプの、ベルト駆動のblower ブロウワー、huffer ハッファー、iron lung アイアン ラングのこと。スーパーチャージドのエンジンは、blown ブロウン、boosted ブースティッド、またはstuffed スタッフトなどと呼ばれる。

TPI
ロッドに換装するエンジンとして一般的な'80年代や'90年代のGM 305や350 V-8に用いられているシステムであるtuned port injection チューンド ポート インジェクションのことを主に指す。

zoomies ズーミーズ
各シリンダーに対して1本ずつ別々のパイプが出ていて集合管が無いイグゾースト ヘダーズのことで、後ろに引き伸ばしたようなその外観から名付けられた。もちろんクルマのきれいな外観に対してズーミーと呼ぶこともできる。

 

WORD GAMES

長く過ごしていると、物事がいつでもその言葉どおりでは無いことがわかるだろう。これは国内のトップクラスのロッドイヴェントにおいてもそうで、これらは本当の名前で呼ばれることはまれである。こんな感じである。

ほんとの名前は、、、             だがみんなはこう呼ぶ、、、

ボネヴィル スピード ウィーク           ザ ソルト、またはビーヴィル
エル ミラージュ                  ザ レイクス
デトロイト オートラマ               コウボ ホール (そこで開催されている)
グランド ナショナル ロードスター ショウ      オウクランド (もうそこでは開催されてない)
NSRA ナショナルズ                ザ ナッツ、またはルイズヴィル (ケンタッキー)
グッドガイズ ウェスト コウスト ナショナルズ    プレザントン (カリフォルニア)
クルーズィン パソ ロブルズ            パソ

 

WHAT MAKES A KUSTOM?

customか、kustomか、kemp ケンプか、それともleadsled レッドスレッドと言うべきなのか? どの言葉もホットロッドやストリートロッドとは違うが、その言葉が指す形に、はっきりとした区別を付けることは難しい。これらの言葉で呼ばれるクルマに共通するのは、スピードよりもスタイリングに重きを置いているということである。そして、真のカスタムというものは、見ればすぐわかるものでもある。チョップされた屋根、フレンチされたライト、シェイヴされたトリム、別のクルマから移植されたバンパーやライト、スポットライトやレイクス パイプス、フレイム スロウワーズなどは全て、そのクルマがカスタムである決め手となる。カスタムという言葉は全てのジャンルを指す。kustomと書けば、我々にとっては、例えばアメリカン グラフィーティに出てくるマーク (マーキュリー) のようなトラディショナルな'50年代のスタイルのクルマのことになる。ケンプと呼ぶと、東海岸風の感じになる。(ウェスト コウストとイースト コウストのカスタムの違いについてはいつか取り上げます。-ed.) kustomkempはだいたい、激しくボディ改造を行ったレッドスレッドであるが、customがスレッドである必要は無い。通常ほとんどのcustomが'49年以降のクルマであるのに対して、戦前のtail-dragger テイル ドラッガーはほとんどcustomと呼んでもいいくらいだが、kempとは呼べない。少なくともこれが我々の見解。みんなはどう?

 

SUSPENSION BASICS

フォードの最初のモデルTから'48年式まではsolid-axle ソリッドアクスル、もしくはbeam-axle ビームアクスルと呼ばれる、ホイール間に一体型のアクスルがあるという形式のものが用いられた。このタイプにはbuggy-spring バギー スプリングと呼ばれる、逆さまになったリーフスプリングが付いていた。戦後のホットロッダーたちはdropped axles ドロップト アクスルズで車高を整えた。これは両端を熱で上向きに曲げたI-beam I-ビーム型のデザインで車高を落とすものである。この改造は、San Diegoで行われたことにちなんで、Dago axle デイゴ アクスルと呼ばれた。リーフスプリングの目を逆さまにする(reversing the eyes)というのも、車高を下げる手法として前後両方で行われた。クルマが低くなり、V-8に換装するためのクリヤランスが必要になると、アクスルを配置する装置はストックのwishbone ウィッシュボーンからsplit wishbone スプリット ウィッシュボーン、つぎにhairpins ヘヤピンズ、さらにはfour-bar setups 4バー セットアップスへとかわった。これらの、より現代的なソリッド アクスル セットアップスには、バギー スプリングよりもcoilover shocks コイルオーヴァー ショックスがより用いられる。さらにはtube axles チューブ アクスルズとbatwings バットウィングズが、4バーをマウントするのに、旧式の4バーに取って代わった。凄く低いクルマを作る場合、スプリングの前にアクスルをマウントするsuicide front end スーサイド フロント エンドという方法がとられ、これを行うためには front frame horns フロント フレ-ム ホーンズ (グリルシェルの下に伸びているパーツ) を切り取る必要があった。ホーンズが残されているクルマにはnerf bars ナーフ バーズと呼ばれる、小さいプッシュバー様のバンパーが付けられることもあった。そうでない場合は、クロームのspreader bar スプレダー バーがフレ-ム ホーンズの間にしばしば取り付けられた。
クルマをさらに低くslam スラムさせるには、フレーム(rails レイルズ、bones ボーンズとも呼ばれる)をZ'd ズィードさせることもできる。これは、ほとんどリヤに行われるが、フレームを一旦切り離し、リヤアクスルが持ち上がるように、Z型にオフセットさせて溶接し直すことであり、その結果ボディが低くセットされる。フレームを強化することは、時にはストックのC型のレイルの中をboxing ボクスィング (ボックス加工) することを意味する。これをC-ing C-イング、またはC-notching C-ノッチングと混同してはいけない。こちらはリヤ アクスル ハウジングの上部を一部カットして広げることを意味する。他には'32 フォードのストックのK-member K-メンバーがモデルAのボーンに付け加えられることもあるし、アフターマーケットのtubular X-member チューブラー X-メンバーが付けられることもある。どのような場合でも、トラディショナルなクルマの場合においてもjuice brakes ジュース ブレイクス (ブレーキ) すなわち 油圧式のキットがオリジナルの機械式ブレーキのかわりに取り付けられることが多い。
前部をdropping ドロッピング、またはdumping ダンピングすることでrake レイク (前下がり) になる。リヤタイヤをフロントより丈の高いものに変えることで、rubber rake ラバー レイクを得ることもできる。これは後に'60年代にはリヤタイヤがより幅広になり、フロントが細いpizza cutters ピッツァ カッターズになってbig 'n' littles ビッグンリトルズと呼ばれた。

よりトラディショナルでないクルマではIFS、すなわちindependent front suspension インディペンダント フロント サスペンションを好むロッダーもいる。彼らは、カマロやノウヴァやヴォラーレのフロント フレーム部全体をロッドに溶接してかっ飛ばしていたが、最近ではマスタング IIのサスペンションを使うのが一般的で、多くのボルト オンやウェルド オン キットがアフターマーケットで購入可能である。

新しい隠し技的なセットアップ法に、pushrod IFS プッシュロッド IFSがある。これはコイルオーヴァーがグリルの後ろに隠れているものである。またIRS -independent rear suspension インディペンダント リヤ サスペンションを使う者もいる。これに用いられるもっとも一般的なリヤ アクスル アッセンブリはFord 9-inch フォード 9-インチである。